ブルートゥースってなんですか?

パソコン・インターネットお悩み相談室

第28回 Q.ブルートゥースってなんですか?

ブルートゥースという言葉をよく聞きます。無線を使った何かのようですが、これはWi-Fiとは違うのでしょうか? 何に使うものなのでしょうか?

A.Wi-Fiとは別の無線規格の名前です。

Bluetooth(ブルートゥース)は無線接続規格の名前です。簡単にいえば「いろんな機器同士の接続をワイヤレスにする」もの。ワイヤレスキーボード、ワイヤレススピーカー、ワイヤレスマウス、ワイヤレスヘッドホンなどなど、こういう機器は今まで各社が独自規格の無線で行っていました。それを統一してどの機器同士でもすぐ繋いで使えるようにしましょうという規格です。

具体的に見てみましょう。

Bluetoothは省電力で短距離に向いている

無線規格といえばWi-Fiが有名ですが、あれは複数の機器をネットワークにつなぐために開発されたものですから、高速な転送速度やある程度遠くまで届く電波の力、さらにセキュリティなど高度な作業が必要になります。

対してBluetoothはもうちょっと単純。身近なデジタル機器をワイヤレスにしましょうというものですから、Wi-Fiに比べると出力は低く(つまり長距離には向かない)転送速度も速くありませんが、その代わり省電力で小型化できて安く作れます。

スマートフォンやパソコンを使っていて、このケーブルが邪魔だな、と思うようなものはどんどんBluetoothによるワイヤレス接続になっていると思っていいでしょう。特に最新のBluetooth smart対応の機器ならスタンバイ時の電力消費が非常に少ないため、常時接続も可能になっています。

Bluetoothのロゴ。左のアイコンだけ使うケースもあります。

ではどんな機器でどのように使われているのでしょう?

キーボード
Bluetoothを搭載したWindows PCで使えるワイヤレスキーボードがいろいろ販売されています。

パソコン用のキーボードは(ノートパソコンのような一体型は別ですが)、ほとんどがワイヤレスになっています。Bluetooth規格が普及する以前からワイヤレス化が進んでいることもあって、Bluetoothではない独自規格のものも多くありますが、現在はBluetooth規格が主流です。

Bluetooth対応のキーボードなら、WindowsやMacに加え、iPhoneやiPad、Androidといったスマートフォンやタブレットでも使えます

ノートパソコンの方でも、別途Bluetooth接続のテンキーボードがあれば数値入力の時便利でしょう。

マウス
こちらはBluetoothマウスの一例です。

今やマウスのほとんどがワイヤレスタイプです。BluetoothであればUSB端子を塞がずにすぐ使えます

スピーカー
エレコムのBluetooth対応の防水スピーカーです。お風呂やキッチンで、スマートフォンの音楽を楽しむのに向いています。

スピーカーはパソコンやスマートフォンとケーブルでつなぐものと思っていないでしょうか。今は違うのです。Bluetooth対応スピーカーならワイヤレスですからケーブルの引き回しを考えることなく、聞きやすい場所に自由に置けます

特にスマートフォンの音楽を自宅で聴きたいとき、Bluetooth対応スピーカーならスピーカーだけを持って行けば好きな場所で鳴らせます。防水スピーカーならお風呂や台所でも音楽を聴けて便利ですし、バッテリー駆動する製品ならアウトドアでも使えます。スマートフォンとスピーカーの間がワイヤレスになるだけで屋外でも室内でも音楽の自由度がすごく高まります。手元で好きな曲を再生すれば離れた場所のスピーカーからそれが鳴るのですから。

ヘッドセット
こちらはエレコムのBluetoothステレオイヤホン「LBT-HPC11AVRD」の一例です。マイク内蔵のステレオイヤホンで、これで通話をすることもできます。

スマートフォン用のBluetooth機器でスピーカーと並んでよく使われるのがヘッドセットです。マイク付のヘッドホンで、スマートフォンと組み合わせることで、音楽を聴くこともハンズフリー通話もできます。

これを使えばスマートフォンをバッグにしまったまま、ヘッドセットのボタンひとつで電話に出ることができますし、完全なハンズフリー通話もできます。
両手が空きますから、通話をしながらスマートフォンを操作してスケジュールを確認したり地図を見たりすることも可能です。営業など外出時でも通話が欠かせない人にはヘッドセットがお勧め。
通話メインの片耳タイプもあります。

スマートウォッチ
アップル社のAppleWatchです。iPhoneとBluetoothで接続し、必要な情報をiPhoneとやりとりしながら使うことで、各種通知や天気予報を表示したり、通話したりできます。

最近話題のスマートウォッチ。スマートフォンと連動して動作する腕時計型のガジェットですが、これもスマートウォッチとスマートフォンをBluetoothで繋ぎ、ワイヤレスで様々な情報をやりとりをしています。

デジタルカメラ

実はBluetoothを搭載したデジタルカメラもいくつか登場しています。Bluetoothは転送速度が速くないため画像の転送には向きませんが、デジタルカメラとスマートフォンをBluetoothで常時接続しておき、必要なとき自動的にスマートフォンとWi-Fiで繋ぎ、画像を転送するという仕組みです。これを搭載していればスマートフォンとデジタルカメラを接続するときの手間が省けます。

カシオのEX-AR3000です。Bluetoothを使ったスマートフォンへの自動転送機能を持っています。
EX-AR3000の画面です。Bluetoothアイコンが右下に表示されています。スマートフォンとBluetoothでつながっていますよという意味です。

Bluetoothの使い方は簡単

Bluetooth機器を使うのは非常に簡単です。
最初に「ペアリング」という動作を行い、この機器とこの機器をペアで使いますと登録しておくことで、次回から接続は自動的に行われますし、他の人が勝手に使うことを防ぎます。そうしないと自分のマウスを動かしたら他の人のパソコンを操作してしまった、ということになりかねませんから。

ペアリングは簡単。
まず、Bluetooth機器側の電源を入れ、「ペアリング」モードにします。方法は機器によって異なるので説明書を見て下さい。

Androidの「ペアリング」方法

では実際にスマートフォンとBluetooth機器を繋いでみましょう。今回はエレコムのBluetoothスピーカー「SPWP200」とスマートフォンをペアリングしてみます。

SPWP200は「電源ボタンを10秒ほど長押し」すると、音が鳴り青のライトが素早く点滅し、ペアリングモードになります。

それを確認したら、Androidスマートフォンの設定から「Bluetooth」を選びます。
すると画面に機器の名前が表示されますからそれをタップすれば完了です。


iPhoneの「ペアリング」方法


機器によっては「パスコード」を入力しなければならないこともあります。そのときは画面に従って数字を入れましょう。

次回以降は自動的につながりますから、この作業は1度だけ行えばOKです。
同じ機器を他のスマートフォンやパソコンで使いたいときは、いったんペアリング解除をして(不要なこともあります)、他のスマートフォンやパソコンでペアリングし直します。

1台のスマートフォンに複数のBluetooth機器をペアリングさせられますから、たとえば外出先では音楽をBluetoothヘッドホンで聴き、帰宅したら音声出力をBluetoothスピーカーに切り替えて聴くという使い方もできます。

このように複数のBluetooth機器を接続して使うことができます。ちなみに、上からデジタルカメラ、AppleWatch、Bluetoothヘッドセットです。

Bluetoothはヘッドセットに入るぐらい小さく省電力に作れますから、今後どんどん様々な機器で採用されていくでしょう。

すでにBluetooth対応の「体重計」も出ています。体重計に乗ると体重や体脂肪率を計測し、Bluetoothでスマートフォンに転送することで、体重や体脂肪率の推移を記録して健康に役立てるわけですね。このようにヘルスケアのジャンルでも有望視されています。

Bluetoothとはどういう意味?

余談ですが、なぜBluetoothというのでしょう?

Bluetoothは直訳すると「青い歯」です。これは何かの略でしょうか? 何か技術的な意味があるのでしょうか?

多くのハイテク用語はその機能や原理を表す英語を略したものが使われますが、実はこの場合は違います。

Bluetoothは10世紀のデンマークの王様「ハラール一世(ハーラル一世と書くこともあります)」を指します。ハラール一世はデンマーク全域を支配した最初の王といわれ、ノルウェーを統合した北欧では有名な王様。その王様のあだ名を英語にしたものがBluetoothなのです。日本語では「青歯王」と訳されています。

実はBluetoothはスウェーデンの会社が開発した技術。乱立する様々な独自の無線規格を統合したいという想いで、この名を付けたといわれています。

もうひとつ、Bluetoothのロゴも北欧で当時使われていた「ルーン文字」をアレンジしたものです。
最近の規格の命名では珍しいパターンです。

(※本記事の内容は2016年1月12日時点の情報です)


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荻窪 圭 プロフィール
1980年代にパソコン雑誌のライターとしてデビューした老舗のIT系ライター。趣味が嵩じて、「古道研究家」や「猫写真家」と呼ばれることもある。最近はデジタルカメラやスマートフォンを中心に活動しておりデジタルカメラ評論家としての側面が強いが、かつては入門記事を多く手がけるパソコンライターとして、「ASAHIパソコン」「特選街」をはじめとする無数のパソコン誌・一般誌に執筆していた。