危険なページの見分け方と対策(第11回)

パソコン・インターネットお悩み相談室

第11回「危険なページを開いてはいけない」といわれますが、 見分け方がわかりません。

インターネット関連で、「なりすまし」や「詐欺」などのニュースをよく目にします。対策として、危険なページを開いてはいけない、あやしいリンクをクリックしてはいけないといわれますが、そもそも危険かどうかを判断するのが難しくて悩んでしまい、知らないサイトは避けるようになってしまいました。危険なページかどうか、どうすれば判断できるでしょう?

A.ひとことでいうのは難しい問題です。見分けるコツや対策について考えてみましょう。

おっしゃることはよくわかります。危険なサイト、危険なページとひとことでいわれても、それが一目で判断できれば誰も苦労はしませんよね。実はインターネットに慣れている人でも間違ってクリックしてしまうことはあるくらいです。
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そこで、見分けるコツや間違ってクリックしてしまったときの対策を考えてみます。

インターネットの危険にはどんなものがある?

危ない危ないといわれても、何が危ないのかわからないとピンときませんよね。簡単に言えば、利用者を騙してお金を取ろうとしたり、個人情報を得ようとする、詐欺サイトがある、ということです。いったいどうやって騙そうというのか、ちょっと見てみましょう。

偽物のショッピングサイト

我々は有名なお店や普段から使っているお店では安心して買い物ができます。インターネットでも同様です。相手の顔やお店が目に見えない分、安いけど得体の知れないお店で買うより、実績のあるお店の方が安心できます。その心を逆手に取って、本物そっくりの偽ショッピングサイトが現れています。注意しましょう。

たとえば、写真業界で有名な「フジヤカメラ」というカメラ店があります。そことそっくりの偽サイトが現れました。今は本物のフジヤカメラがサイトのデザインを一新したので見た目は似ていませんが、偽サイトは昔のフジヤカメラのサイトにそっくりです

それに気づかないで本物だと思って買い物をしてしまうと、商品が届かないでお金だけ取られた、まったく違うものが届いた、などのトラブルに遭いかねません。

● 見分けるコツ、対策
  • 買い物をするときは、同じ製品が他の店ではいくらで売っているか調べてみましょう。旧型であるなど特に理由が無いのにあまりに安い店は要注意。支払う前に注意しましょう。
  • 大手のショッピングサイトはクレジットカード、銀行振込、コンビニ支払い、宅配便代引きなどいくつもの支払い方法を使えるが、偽サイトは複数の支払い方法を用意できないことが多い。特に銀行振込時の振込先が「個人名」になっていたらまずアウト。そういうときはすぐ止めましょう。
  • インターネットで検索する、というのはとても有効です。有名なサイトなのに価格が妙に安い……など気になったら「サイト名 偽」で検索してみましょう。もし偽サイトであったら、いちはやく見つけて教えてくれるサイトがあるはずです。
銀行の偽物が現れました

もしあなたが「大日本銀行」(もちろん架空の銀行です)の口座を持っていたとしましょう。 あるとき「大日本銀行」から「あなたのパスワードが流出した恐れがあります。下記のリンクより、パスワードを再設定してください」というメールがきました。お、それは大変だ、パスワードを変えなければ、とリンク部分をクリック。銀行のパスワード変更ページが開いたので、契約者番号とパスワードを入力……。実は、そのメールも、メールにあるリンクから開いたページも「偽物」だったのです。実際に似たようなケースがありました。

犯人はあなたがその銀行口座を持っていることを知っていたのでしょうか? おそらく、 そうではありません。大手の銀行なら、いろんな人に大量にそのメールを送りつければ、かならず一定数の口座利用者に当たるからです。

こういう偽サイトに誘導して情報を入力させる悪行を、フィッシング詐欺と呼んでいます。

騙されないコツ、対策
  • 銀行など金融機関からパスワードなどセキュリティー関連の要求メールが来たら、まず疑ってみましょう。銀行から届いた他のメールと文面を見比べて、おかしいところがないかチェックしてみましょう。
  • 一番安全なのは「メール中に書かれたリンクをクリックしない」ことです。これは大事です。でもこういうメールが来たら、怖いですし、もしかしたら本物かもしれないので、念のためパスワードを変えておきたい、と思いますよね。そういうときはメールからではなく、Webブラウザを開き、その銀行のホームページからきちんとログインしましょう。銀行のホームページから正規の手順で手続きを踏めば安心です。

実際には、契約者番号とパスワードがわかっても、勝手に銀行からお金を引き出すことはできません。ネットバンキングを使っている人ならわかるとおり、お金を動かすときは銀行から送られた暗証カードに書いてある「数字の表」(第二暗証)が必要です。

2014年、三井住友銀行を騙り、本物そっくりに作られた偽サイトに誘導し、そこでその暗証カードに書いてある番号も全部入力させるという事件が起きました。銀行が表の数字を全部入力させるということは絶対にありません。 三井住友銀行はその事件を受けて詳しい対策やメールの見分け方を紹介したページを作っています。参考にしてください。

三井住友銀行「簡単!やさしいセキュリティ教室 フィッシング詐欺」

ついデキごころでOKをクリックしたら、いきなりお金を払えといわれました

アダルト系や出会い系などに多い詐欺です。画面上に「この先を見たいときはクリックしてください」などと書いてあり、それをついクリックすると、いきなり画面に「あなたは有料サイトの会員になったので、お金を払いなさい」と出てくるというわけです。

興味本位でクリックしただけなのにそんなこといわれたらびっくりしますよね。こういうのを「1回クリックしただけ」から「ワンクリック詐欺」と呼んでいます。

考えてみたらおかしな話ですが、アダルト系や出会い系など「家族にばれたくない」内容のサイトであることが多く、周りに相談できずにお金を払ってしまう人がいるようです。

● 見分けるコツ、対策
  • 「無料」の文字につられてクリックしないことが一番ですが、間違ってクリックすることがないとはいえません。あ、やばいと思ったら即座にブラウザのウインドウを閉じたり、ブラウザを終了しちゃってOKです。仮に画面に小さく「クリックしたことで同意したとみなされます」と書いてあったとしても無効です。
  • クリックしただけではあなたの個人情報(名前や住所など)は相手にはわかっていません。やってはいけないのは「相手に、間違いだから退会させてくれ」というようなメールを送ってしまうことです。みすみす自分の情報を相手に渡すようなもの。直接連絡をとってはいけません。
偽のソフトをインストールさせられた

人を騙して金をせしめよう、なんて考える人は、あれやこれやいろんな手を思いつくもので、厄介なのが、パソコンが苦手な人を騙そうという手口。

インターネットを見ていたら、画面に見知らぬウインドウが出て「あなたのパソコンがウイルスに感染している恐れがあります」と表示され、「ここをクリックすると無料であなたのパソコンを診断します」とあり、ああ、親切にもチェックしてくれるのだなと思ってクリックすると、「完全な駆除にはこちらのソフトが必要です」と偽のソフトを買わせようとしたり、クリックしたら悪さをするソフトがインストールされたり、そういう悪質な手口が数年前から続いています

ピンとこないかもしれませんが、こう考えてみるといいでしょう。一時期、リフォーム詐欺が話題になりました。各家庭を不意に訪問し、住宅をチェックしますといって入り込み、床下を見て「シロアリに食われているのでリフォームが必要です」などの理由を付けて言葉巧みにリフォーム工事の契約をさせるという悪質な商売です。それのインターネット版です。頼みもしないのに勝手にパソコンを診断して、悪いところがあるからと役に立たないソフトを買わせようとする、というような感じです。

● 見分けるコツ、対策

もし、インターネットを見ていて「あなたのパソコンをワンクリックで診断します」や「ウイルスに感染されています」と突然表示されても、無視しましょう。それが一番です。

もし被害にあってしまったら

近年、インターネットを使った詐欺やコンピューターウイルスの存在が多くの人に知られ、ニュースになりやすくなりました。その分、騙される人は減りましたが、騙す方もそれに合わせて年々手口が高度になり、詐欺なのかどうかわかりづらくなっています。

我々でも、「文面だけで詐欺かどうか見分ける」のが難しいことがあります。ですから、普段は注意深い人でもついクリックして引っかかってしまうケースや、クリックしてから「もしかしたら、今のはまずかったかも」というケースもあるでしょう。自分は気をつけていても、家族の誰かがつい引っかかってしまうこともあります。誰もが被害にあう可能性があるのです。それは念頭においてください。

そしてもし引っかかったら、基本的な対策は、公的な機関への相談です。まず、国民生活センターへ相談をしてみましょう。

独立行政法人 国民生活センター

国民生活センターは幅広いテーマを扱っていますが、インターネットトラブルのコーナーに、細かい事例が掲載されています。

国民生活センター「インターネットトラブル」

具体的に相談するときは、消費者ホットラインか、最寄りの消費生活センターへ相談しましょう。

国民生活センター「全国の消費生活センター等」

インターネット関連のトラブルについても相談に乗ってくれます。多くの人が国民生活センターに相談することで、国民生活センターにも事例が多く集まり、その後の対策にも生かされます。

傾向と対策をまとめます

以上、様々なケースを元にインターネットを利用した詐欺にどのようなものがあるのか見てきました。コンピューターウイルスやインターネット詐欺というと、自分のコンピューターを騙すもの、と思いがちです。でも彼らのターゲットはコンピューターではなく、それを使っている「人」そのものです。人を騙そうとしているのです。だから「詐欺」なのですね。自分だけは大丈夫、という人でも、ちょっとした判断ミスで引っかかる、あるいは引っかかりそうになることが多々あります。そこで最後に、注意点や対策をまとめておきましょう。

1.詐欺の手口を多く頭にいれておく

こういう方法で利用者を騙そうとしているんだな、という事例を頭にいれておけば、とっさのとき「これは怪しいかも」と思えます。詳細は覚えておかなくても良いので頭にいれておきましょう

2.少しでも怪しいと思ったらインターネットで調べる

意外に有効なのがこの方法です。少しでもおかしいと思ったら、Webブラウザを使い、インターネットで検索をしてみましょう。メールなら届いた文面の一部をコピーして検索をするのが有効です。

詐欺をしようとする人は大勢に同じ手口で仕掛けますから、誰かが「これこれこういう手口の詐欺が発生しているから注意しましょう」という情報を提供してくれているものです。

3.脅しのメッセージが出たらまず深呼吸

利用者を脅かして判断能力を奪う、というのは大昔からある手口です。脅しのメッセージが出たら、まず深呼吸して冷静になりましょう

多くの場合は単なる脅しですから、そのままウインドウを閉じてしまっても大丈夫。間違っても自分のメールアドレスや電話番号などを入力しないように。

4.メール内のリンクをクリックするときは細心の注意を

ただ詐欺のホームページを作っても誰も来ませんから、メールを大量に送りつけて、メールからホームページを開かせようとします。普段こない相手からのメールや、応募した覚えもないのに「当選しました」というメールに要注意

もちろん、本物の重要なメールであることもありますから、メール内のリンクからではなく、Webブラウザを開いて、正規の手順でそのページにアクセスしましょう。

5.パソコン側に対策を施しておく

そして重要なのがこれです。詐欺は人間を騙そうとするものですが、人がいかに注意していても、巧妙なものならつい引っかかってしまうことがありますし、それ以前に、ちょっとしたメールの確認やネットの閲覧のときもいちいち気にしていたら使う方が疲れてしまいます。そこで有効なのが、パソコン側での対策です。基本は、パソコンのOS(WindowsやMacOSなど)は常に最新の状態に保っておくこと。定期的に「アップデート」という形で半自動的に行われますから、それをオフにしないよう注意してください。普段使っているソフトウエアも最新のものにしておきましょう。

そしてさらに、セキュリティーソフトをいれておくこと。ときおりセキュリティーソフトを入れたままで安心している人がいますが、コンピューターウイルス(をはじめとするパソコンに悪さをするソフト)は常に新しいものが出現し、対策ソフトもそれに対応して新しくなっています。常に最新版に保たれるよう契約しておく必要があります。これはもはや必須です。

一般的なウイルス対策ソフト(セキュリティーソフト)はパソコン内に悪さをするソフトが入るのを防いだり、入ってしまったソフトを検出して除去するのが仕事ですが、さらに一歩進んで、「開いてはいけないWebページ」(偽物のサイトや詐欺など、悪質なサイト)にアクセスしようとすると警告したりブロックしてくれるものが登場しました。利用者が個人で判断するのが難しいサイトもチェックしてくれますから、水際でとめることができます。

ネット詐欺ブロック Internet SagiWall for マルチデバイス

気がつくと迷い込んでしまいがちな悪質なサイトをブロックしてくれるので、安心です。

インターネットは怖い、と思われるかもしれません。でもひとつひとつをよく見ると、怪しいお店だけど他より安いからとつい買いそうになったり、訪問販売の甘言につい騙されそうになったり、道を歩いていて呼び込みの人についつられそうになったり、そういう現実世界にある怪しい誘いと基本的には変わりません。ただ、インターネットとパソコンを通してそれが行われているため、何が起きているのかわかりづらく、怖い印象になるのでしょう。

パソコンとそれを使う人間、両方で対策をし、安心してインターネットを使いましょう。

(※本記事の内容は2014年9月18日時点の情報です)


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荻窪 圭 プロフィール
1980年代にパソコン雑誌のライターとしてデビューした老舗のIT系ライター。趣味が嵩じて、「古道研究家」や「猫写真家」と呼ばれることもある。最近はデジタルカメラやスマートフォンを中心に活動しておりデジタルカメラ評論家としての側面が強いが、かつては入門記事を多く手がけるパソコンライターとして、「ASAHIパソコン」「特選街」をはじめとする無数のパソコン誌・一般誌に執筆していた。