ググるってどういう意味ですか?(第6回)

パソコン・インターネットお悩み相談室

第6回今回のお悩み ググるってどういう意味ですか?

インターネットを見ていると知らない言葉ばかりでてきます。「ぐぐる」とか「りあじゅう」とか。日本語なのかどうなのかすらピンときません。専門用語もどんどん増えています。誰かに尋ねようにも読み方がわかりません。専門用語なら知らないままでも困らないと思っていましたが、専門用語なのか俗語なのかさえよくわからず、インターネットは日本語を乱しすぎていないでしょうか?

A. Googleで検索する、という意味です。

ネットの世界では毎週のように俗語が発生しています。海の向こうでは毎月のように新しい技術が登場して、それに新しい名前がつけられます。最新技術になると、よほどの専門家でないと何を指しているのかわからない言葉もあります。

実は昔からそういうことはありました。違うのは、昔は新しい言葉ができて、それが一般に使われるまで長い時間がかかっていたのに対し、今はそのスピードがぐんと速くなっていることです。インターネットのおかげで、言葉の伝達スピードが速くなっているからですね。

ネットの世界では、隠語がよく発生します。長い言葉を短く略したり、同音異義語をわざと使ったり、オモテだっていいづらい言葉を言い換えてみたり、そういう言葉遊びが好まれるのです。でも考えてみたら、それはネットに限ったことではありません。「サボる」のように昔から繰り返され、その一部だけが定着して生き残っているわけです。

そんな、ネット発祥の言葉をいくつか見ていきましょう。

ググるとは?

今「サボる」という言葉は日常で使われています。仕事をサボる、とかですね。でもどう考えても古くからある日本語ではありません。もとはフランス語のサボタージュから来ています。それを略したサボを動詞にしちゃった造語ですね。最初に使われたのは大正時代だそうです。トラブルがおきたことを「トラブる」というのも同じパターンです。

実は「ググる」もそう。ググるのググはGoogle(グーグル)のこと。Googleで検索することを誰かが「ググる」といいだしたのがはじまりで、元の単語と発音が似ていて、短くていいやすいことから一気に普及しました。「サボる」といういいかたが流行しはじめた頃、その頃年配だった人たちは苦々しい思いで見ていたでしょう。どの時代も同じです。

では、似たような省略系のネット用語をいくつか見ていきましょう。

ふぁぼる
お気に入りに登録する → 英語だと「お気に入り」は、「favorite」 →
頭の「favo」をローマ字読みして動詞化する → ふぁぼる

Twitter(ツイッター)というアメリカではじまったサービスが発祥の言葉です。誰かのツイート(つぶやき)を気に入ったとき、「お気に入りに登録する」をクリックしますが、英語では「favorite」です。カタカナにするとフェイバリットですが、その「favo」をローマ字読みしたのがはじまり。単純な隠語です。

リア充
リアル(現実の生活)が実している → リア充

もともとネット社会に対して現実社会を指す「リアル」をもじって作られた造語。リアル(現実の生活)が充実していないからネットにはまる、という状況を自虐的に表現したという点がユニークです。リアルが充実しているとは、主に恋人がいる、友だちが多いなど楽しい日々を過ごしている状態を指します。

字面で楽しむ用語

ネット発祥の用語には英文字もよく使われます。ネット上のサービスを使っていろんな人とやりとりするときは、短い言葉をうまく組み合わせれば簡潔に素早く伝えられます。そのため、省略した言葉が作られます。特にアルファベットの組み合わせは素早く打てるのでよく登場します。

  • よく使われる日本語の頭文字を組み合わせたもの。
  • 文字の見た目を利用した感情表現。

の2つのパターンが主流です。面白いものをいくつかあげましょう。

www
(笑) → (ワラ → (w → w → www

座談会の記事などでよく「ここで笑いが起きた」ことを示すために、会話のあとに「(笑)」と付けられます。あれの応用です。短いメッセージは誤解を生みやすいものですが、最後に(笑)とあれば、これは冗談なんだなとか、軽い意味なんだなということが伝わるので多用されます。多用される言葉はどんどん短くなります。「わらい」→「warai」→「w」、という具合です。「ワラ」と読むようです。大笑いだと「www」(ワラワラワラ)となります。わざとワールドワイドウェブを示す「www」と同じにしているのだと思います。さらに、このwをみっつ並べた文字面から「草が生えた」ということもあります。

kwsk
(今あなたが書いたことを)詳しく教えてください → 詳しく → kuwashiku → kwsk

これになると何がなんだかわからないでしょう。ネット上では簡潔なやりとりが飛び交いますから、時には「それ、詳しく教えてください」といいたくなることが多々あります。それがどんどん略されて、子音だけが残り、kwskにまで縮まってしまったのです。アルファベットのルーツともいわれるフェニキア文字には子音しかありませんでしたが、そんな原点回帰かもしれません(いや、それは考えすぎか)。

orz
orz手と膝をついてうなだれている様子

これは手と膝をついてうなだれている、あるいは土下座をしている様子をアルファベット3文字で表したもの。何か失敗したとき、落ち込んだときに使います。いわれてみると、だんだんそう見えてきませんか?

文字の並びを絵として捉えた好例です。特に読み方はありません。

このように言葉が崩されていく過程を知ると、なんとなくほほえましくありませんか?こういったネット用語を知っておく必要があるか、というと、まったくありません。なぜなら、常に新しい言葉が作られるし、使われなくなった言葉はどんどん消えていくからです。いちいちそれに付き合っていたらキリがありません。知ったからといって使う必要もありません。見知らぬ言葉が登場したとき「ああ、また誰かが新しい表現を思いついて、それをみんなが面白がっているんだな」というくらいでよいかと思います。それが使われている文脈を読めば、ニュアンスはわかるでしょう。もし何度も目にして気になったら、それこそ「ググれば」よいのです。我々の目に付く頃には、たいていどこかの誰かが、その新造語の解説を書いてくれているからです。
それが俗語や隠語のようなお遊びででてきた言葉なのか、れっきとした用語なのかもわかります。

我々が新しい言葉を知るときは、誰かの口から「音」で聞くか、書かれているものを「目」で見るかのどちらかです。音で聞いた言葉には、聞き間違いや覚え違いがつきものです。目で見た言葉は読み方がわからず勝手に想像で読んでしまいがちです。それが間違っていても、一度覚えてしまうとなかなか修正しづらいもの。知らない言葉が気になったらまず「ググって」チェックするクセをつけることをお勧めします。

(※本記事の内容は2014年4月17日時点の情報です)

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荻窪 圭 プロフィール
1980年代にパソコン雑誌のライターとしてデビューした老舗のIT系ライター。趣味が嵩じて、「古道研究家」や「猫写真家」と呼ばれることもある。最近はデジタルカメラやスマートフォンを中心に活動しておりデジタルカメラ評論家としての側面が強いが、かつては入門記事を多く手がけるパソコンライターとして、「ASAHIパソコン」「特選街」をはじめとする無数のパソコン誌・一般誌に執筆していた。