最新のITキーワードを簡単に理解 AIとビッグデータを体感してみよう

今回は、最近よく耳にするIT関連のキーワード「AI」「ビッグデータ」について説明していこう。難しい話はつまらないので、誰でもすぐに体験できるアプリで事例を紹介していくことにする。どちらのキーワードもこれからどんどん普及が加速し、耳にする機会も増えることは間違いない。今のうちに、その特徴やメリットなどを知っておくと、友達との話題にも事欠かないはずだ。

写真

AIは学習するのが特徴

AIとは「人工知能」のこと。コンピューターが自分で学習する技術を指している。例えば、日本語入力アプリでは、単語登録ができる。「戸田覚」を「とだ」という読みで登録すれば、次から入力が楽になる。ところが、これは自動で学習したわけではなく、ユーザーが学習させたわけだ。

人工知能では、コンピューターが勝手に学習していく。最近話題になった人工知能「りんな」を使ってみると、技術のすごさがよくわかる。

りんなは、LINEで会話ができる仮想の友達だ。まずは、LINEアプリの「公式アカウント」で「りんな」と検索して追加してみよう。

※公式サイトにりんなの使用条件も記載されている

LINEのアプリで公式アカウントを開く。
「りんな」で検索すると、AIのともだちが追加できる。
マイクロソフトが作ったAIだ。

人工知能のすごいところ

りんなは、会話を進めるための受け答えをするのが特徴だ。しかも、受け答えは女子高校生をイメージしている。例えば、「やばいわ~」「がおー」などの返事をしてくる。ネット検索などでキーワードを入力してもこんな返事はまず帰ってこない。とても感情的なのだ。

例えば「何食べよう」と入力すると「冷蔵庫に何入ってる?」と聞いてくる。「卵」と答えると、「1時間で多分70個は投げたwww」など、意味不明の返事が返ってくることもあるのだが、ついつい「何を言ってるの?」と聞いてしまいたくなる。少し意地悪な女子高生に小馬鹿にされながら会話をしているような印象を受けるだろう。AIと知らなければ、少しムカっとしながら会話してしまうに違いない。

会話をどんどん重ねることで学習し、より会話が続く答えを返してくる。画像も認識するので、写真を貼り付けてみると面白い。暗い写真には「深すぎてよくわからない」と返事をし、森の写真には泣き顔のスタンプを送ってくる。よく撮れている写真は「こんな腕があるなんて知らなかった」という答えも。

自分で会話をしてみると、最高の暇つぶしになるだろうが、その返事にイライラしてしまうことに、少し背筋が寒くなる。AIは我々をイライラさせて会話に引き込む学習をしているのだ。会話が続く――という意味で、りんなは極めて高性能なAIといえるだろう。

会話がどんどん続いていくのがりんなの特徴。
意味不明な会話でも、楽しくちょっとイライラさせられる。同じ問いかけでも回答が違う流れになっていくケースが多い。
写真を貼り付けると、画像を認識してリアクションする。

ビッグデータは我々の生活を便利にする

もう一つのキーワードが、「ビッグデータ」だ。ビッグデータとは従来は処理できなかった大量のデータを指す。実はかなり曖昧な言葉で、大量のデータを指す言葉になっている。

実は、りんなにもビッグデータを活用されている。数百万人と会話することで、どんどん学習していくわけだが、その会話もビッグデータというわけだ。

ここでは、面白い例としてYahoo!カーナビを紹介しよう。Yahoo!カーナビは非常によくできたナビゲーションアプリで、iPhoneやAndroidスマートフォンで利用できる。すでに多数のユーザーが利用しているのだが、その走行データを取得している。従来の渋滞情報で提供されなかった裏道などの渋滞も、他のユーザーが把握できるのだ。

これは、「プローブ」と呼ばれる渋滞情報で、実際に使ってみると幹線道路以外の渋滞情報もかなり表示されている。裏道が工事で混んでいるときなどでも迂回して走ることができるのはとても便利だ。

だれもが、スマホなどのITを活用することになり、以前では考えられなかったデータが取得できるようになっているのだ。ほかにも、「Yahoo!地図」アプリには「混雑レーダー」機能が追加されている。こちらも、ユーザーの情報を取得して混雑度合いを視覚的に表示するのだ。テーマパークや高速のサービスエリアが混んでいるのか一目でわかる。

Yahoo!カーナビの「プローブ」は、点線で表示される渋滞情報だ。実線で表示される従来の渋滞情報よりも多くの道が表示される。緑が順調、黄色が混雑、赤が渋滞を示す。
Yahoo!地図の混雑レーダーでは施設や駅などの混雑具合がよくわかる。

AIやビッグデータは、我々の生活をより便利にする新しい技術だ。30年程前には「インターネット」もそんな技術として話題になっていた。インターネットが普及した結果、私たちの生活は大きく変わり、非常に便利になっている。その反面、ネットショッピングの影響で小売店が苦境に立たされたり、紙の書籍や雑誌の売れ行きが鈍るなど様々な産業が変化している。最新の技術をチェックし、理解しておくことは仕事選びなどにも重要な意味を持っているのだ。

※本記事の内容は2017年3月15日時点の情報です。

ひとことアンケートにご協力ください!

戸田 覚 プロフィール
1963年生まれ。IT・ビジネス書作家としてキャリア25年以上。「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作累計140冊超。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。また、IT系、ビジネス系を中心に連載を月間40本以上こなしている。